コインワールド

世界の暗号通貨/ブロックチェーンスタートアップ情報を発信

a16zとUSVのブロックチェーン関連投資をまとめる

USのトップティアVCでもブロックチェーン関連のスタートアップやファンドに投資するところが出てきています。
その辺りをまとめておこうと思ったタイミングで、CBinsightsがアンドリーセンホロウィッツとユニオンスクエアベンチャーズという、USトップVCの中でも特にブロックチェーン関連に積極的な2社の投資統計を出していました。

www.cbinsights.com

ここでの情報と補足情報も含めてまとめます。

 ユニオンスクエアベンチャーズ(USV)

フレッドウィルソンが率いるUSV
当初はビットコインというテーマにフォーカスし、2013年はじめのCoinbaseのシリーズAラウンドにSV Angelらとともに参加。

その後、より革新的なブロックチェーン技術を活用したサービスへの投資への戦略を広げて行ったように見える。ブロックチェーンベースの分散型ECプラットフォームのOpenBazzarや、分散型ファイルストレージのFilecoinへの投資がその良い例。

アンドリーセンホロウィッツ(a16z)

早期からのビットコイン支持者で知られるマークアンドリーセンが率いるa16z

ブロックチェーン領域だと、パートナーであるBalajiもエキスパートです。

アンドリーセンホロウィッツのブロックチェーン領域への投資は2013年始めのRippleのエンジェルラウンドの参加から始まり、ビットコイン領域のCoinbaseと21.co(現在はa16zパートナーのBalaji Srinivasanが代表になり、Earnという課金式のメッセンジャーサービスに)、プライベートブロックチェーンのAxoniなどに出資しています。

 

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共同投資も多く、CoinbaseではUSVが$5MシリーズAをリードし、a16zは$25MシリーズBをリードするなど、がっつり連携していそう。

ICOへの直接参加

かなり実験的だと思うのが、USVに関しては、ICOを行った会社へのトークン出資もすでに直接行なっています。

若年層に人気のメッセンジャーKikが発行したKin、ライブストリーミングサービスYouNowなどです。

また、今回のCBinsights記事には掲載されてなかったですが、直近のBlockstackのICOラウンドにも参加したと報道がありました。

USV, Winklevoss Bros Invest in $50 Million Blockstack ICO - CoinDesk

全て共通しているのが、USVの既存投資先であるという点です。トークンエコノミーに取り込むことができそうなプラットフォーム型のサービスに関しては、USVがアドバイスやサポートを行ったりしているのでしょうか。

暗号通貨/ICO特化型ファンドへのLP出資

2社に共通しているのが、以前紹介した暗号通貨/ブロックチェーン特化型ファンド群にLP出資していることです。

2社とも、Coinbaseの第一号社員が立ち上げたPolychain Capital、AngelListのナヴァルらが設立したMetaStable、元GSのヴァイスプレジデントMatthew Goetzらが立ち上げたBlocktower Capitalに出資しています。

Polychain CapitalとMetaStableの投資先であるOrchid LabsやBasecoinなどへは、a16zとUSV自体からも直接投資を行なっているので、トークンエコノミーの学習と情報収集も兼ねた出資なのではないかと思われます。

実際に、フレッドウィルソンは最近のブログポストの中で以下のように語っています。
(このブログも面白いので訳していきたい・・)

We are going to continue to execute our equity based model in parallel with our token investments, at least for as long as that seems like the right approach. We have a good thing going with the equity based model but we understand that we have to adapt and react to changes in the market and we are doing that, fairly aggressively, with tokens.

ひとまず正しいやり方だと思われる間は、我々はトークンベースの投資と並行して、これまでのエクイティベースの投資も継続する。私たちはエクイティベース投資でうまくやってきている。しかし、マーケットの変化には対応していかなければいけないことは分かっているので、私たちはかなり積極的にトークンという形で対応していく。

今回はかなり早期からブロックチェーン領域に積極的なa16zとUSVという2つのトップVCを取り上げました。

今後、既存のVCがどのようにこのトークンエコノミーを取り入れて行くのか、引き続きウォッチしていきます。