コインワールド

世界の暗号通貨/ブロックチェーンスタートアップ情報を発信

暗号通貨/ブロックチェーン業界のシリコンバレー、”クリプトバレー”はここにある

IT・スタートアップ業界における世界の中心であるシリコンバレーは米国サンフランシスコ・ベイエリア周辺地区のことを指しますが、暗号通貨における中心「クリプトバレー」はどこなのでしょうか。

https://fm.cnbc.com/applications/cnbc.com/resources/img/editorial/2015/09/24/103025175-Zug_Switzerland.1910x1000.jpg

 ビットコインの取引量で言ったら日本なのだから、東京がクリプトバレーだ!という意見もあるかもですが、2017年現在世界的にはスイスのツーク(Zug)にあると言われています。

Zugとは

スイス首都のチューリッヒから25キロ南下した場所に位置し、ツーク湖のほとりにあるドイツ語圏の人口約3万人の小さな街です。

なぜZugがクリプトバレーなのか?

この小さな田舎町のツークですが、低い税率(スイス国内の26の州でも5番目に低い)から、数多くの多国籍企業の拠点が置かれてきました。

そしてその低い税率、多様なビジネスへの許容度が高い環境が、ICOを行うようなブロックチェーン企業を世界中から非常に多く引きつけているため、「クリプトバレー」と言われるようになったようです。

2017年1月には元UBSのCIOのもと、Thomson Reuters, PwCなどが参加する形でクリプトバレーアソシエーションが設立され、その地位を確かにしました。ここから毎年クリプトバレーカンファレンスが開催されたり、Zug拠点にするブロックチェーン関連企業の支援をしています。

f:id:coinworld:20171220015813p:plain

https://cryptovalley.swiss/

 

また、Zugの自治体も非常に先進的で、2016年7月からは世界で初めて公共サービスの一部を限度額付きでビットコイン支払いができるようにしたり、今年9月からイーサリアムブロックチェーン上で実現する市民のデジタルIDを始動しました。

国/州としての法律関係はざっくり以下のようになっているとのこと

・スイス国内においては、仮想通貨は有価証券ではなく、資産に近い位置づけである

・スイス国内の仮想通貨関連企業は、特定の許認可やライセンスを取得する必要がない

ただし、スイス国内の高い生活コストと厳しい移民政策から、多くの従業員をZugに集めることはなかなか現実的ではないようで、本社機能のみをおいている会社が多いとのこと。

現在、Zugを拠点にしている暗号通貨・ブロックチェーン関連の組織/企業は以下のようなところがあります。

・Ethereum Project(Ethereum Switzerland GmbHとEthereum Foundation)
・ShapeShift(世界最大級の暗号通貨両替所)
・Xapo(世界最大級のビットコインウォレット)
・Tezos(ハーフドフォークを必要としない次世代ブロックチェーンICOで$232M調達)
・Bancor(トークンの流動性問題を解決するプロトコルICOで$144M調達)
・MME(ICO企業御用達のLaw firm)
Bitcoin Suisse(おなじくICO企業御用達のコンサル、OmiseGOなど)

シリコンバレーでも似たようなのがありましたが、「クリプトバレーマップ」なるものを見つけたので貼っておきます。

http://fintechnews.ch/wp-content/uploads/2016/04/Crypto-Valley-Zug-map.png

ぜひ実際に現地に行ってブロックチェーン企業や街の様子を見て回ってみたいと思います。

 

venturebeat.com

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-10/welcome-to-crypto-valley